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AIと生成AIの違い

解説

「AI」と「生成AI」は、しばしば同じ意味で使われますが、本当は大きさが違います。「AI」は人工知能ぜんたいを指す大きな傘で、「生成AI」はその中の一分野にすぎません。さらにその下に LLM、対話型AI と続きます。私たちがふだん「AI」と呼んでいる ChatGPT のような対話型のAIは、実はこの一番下——AI という広い世界の、ごく一部です。

全体は AI > 生成AI > LLM > 対話型AI という入れ子の関係になっています。この地図を一枚持っておくと、ニュースや商談で飛び交う言葉が「どこを指しているのか」をスッと整理できます。

広い順に、四段の入れ子で捉える

Section titled “広い順に、四段の入れ子で捉える”

上(広い)から下(具体的)へ、順に見ていきます。

AI(人工知能) は、もっとも広い言葉です。人間の知的な作業をコンピュータにやらせる技術の総称で、この中には文字や顔を認識するAI、需要を予測するAIなど、昔からある分野も含まれます。いま話題の中心にあるのが、その一分野である生成AIです。

生成AI は、文章・画像・音声・動画などを新しく作り出すAIです(くわしくは 生成AIとは何か で扱います)。

LLM(大規模言語モデル) は、生成AIのうち、文章を中心に担う技術です。大量の文章を学習し、次に来る言葉を予測して文章を作ります。

対話型AI は、その LLM を土台に、チャットで対話できるよう仕立てた製品です。私たちが「AI」と呼んでいる ChatGPT などは、ここに当たります。前の三つが「中身による分類」だったのに対し、この層だけは「それを使った製品・サービス」——少し性質の違う、もっとも具体的な段です。

「生成AI」と「LLM」はどう違うのか

Section titled “「生成AI」と「LLM」はどう違うのか”

四段のうち、もっとも混乱しやすいのが「生成AI」と「LLM」の関係です。この二つは、括っている切り口がそもそも違います

  • 生成AI は「何を作るか(出力)」で括った言葉。文章でも画像でも、新しく作り出すAIならすべて生成AIです。
  • LLM は「どういうモデルか(中身)」で括った言葉。大量の文章を学習した、言語のモデルを指します。

決定的なのが、画像を作る生成AI(写真やイラストを生成するタイプ)の存在です。これは立派な生成AIですが、言語のモデルではないので LLM ではありません。だから「生成AI」という枠のほうが広く、LLM はそのうち文章を中心に担う部分、という関係になります。

言いかえると、文章を作るAI(ChatGPT など)と画像を作るAIは、同じ生成AIの仲間です。出力が文章か画像かで分かれているだけ、と捉えると整理がつきます。

よく一括りに「AI」と呼ばれる ChatGPT は、正確には GPT という LLM に、チャット機能をつけたサービス(製品) です。つまり四段でいえば一番下の「対話型AI」の一例にあたります。

ここを押さえると、新しいサービスが登場しても慌てません。「これは画像を作るのか文章か(=生成AIのどの兄弟か)」「チャットで使う製品なのか(=対話型AIの一例か)」と、地図のどこに置けるかを当てはめれば、位置づけが見えてきます。

  • 「AI=ChatGPT」は狭すぎる。 ChatGPT は対話型AIの一例で、広いAIの世界では末端にいます。
  • 「LLM の中に生成AIがある」は逆。 正しくは生成AIのほうが広く、その中に LLM があります。
  • この四段は、厳密な「入れ子」ではない。 上の三つ(AI・生成AI・LLM)は「中身による分類」、一番下の対話型AIは「それを使った製品」で、切り口の違うものを大づかみに重ねた地図です。細部までぴったり重なるわけではありませんが、言葉の位置関係をつかむには十分役立ちます。

広い順に AI > 生成AI > LLM > 対話型AI。私たちが日々触っている ChatGPT は、その一番下にいる一例にすぎません。この地図を持っておけば、新しいサービスやニュースが出てきても「これはどの層の話か」を当てはめて整理できます。

では、その生成AIは中で何をして文章を作っているのか——仕組みのほうは 生成AIとは何か で扱います。