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話したことのゆくえ

解説

AIに何かを入力すると、その内容が、サービス(ChatGPTなど)によっては今後のAIの「学習」に使われることがあります。あなたが打ち込んだ文章が、AIを改良するための材料として使われる場合がある、ということです。

ただし、これは多くの場合、設定や使うサービス・プランで避けられます。この「学習に使わせない」という選択を オプトアウト と呼びます。

大事なのは、むやみに怖がって使わないことでも、無頓着に何でも打ち込むことでもありません。仕組みを知って、確認して使い分ける——それが、いちばん賢い付き合い方です。

なぜ入力が「学習」に使われるのか

Section titled “なぜ入力が「学習」に使われるのか”

生成AIは、大量の文章を読み込んで、言葉の並び方のパターンを身につけています。これを「学習」と言います(くわしくは 生成AIとは何か で扱っています)。

その記事では、学習を「時間とコストをかけて一度だけ行う型作り」と説明しました。日々のチャットのやり取りの最中に、AIがその場で学んでいるわけではありません。ただ、その「型」も、改良版を作るときには、新しい材料を加えて作り直されます。そして、その材料の中に、利用者が打ち込んだ文章が含まれることがあるのです。

サービスを提供する会社からすると、利用者が実際に入力した文章は、AIをさらに賢くするための貴重な材料です。だからサービスによっては、「入力された内容を、今後の改良に使わせてもらう」という前提で運営されていることがあります。

これは悪事ではなく、AIが育つ仕組みの一部です。ただ利用者からすると、自分が打ち込んだ内容が、自分の手を離れたところで使われるかもしれない——この点は知っておく必要があります。

たとえば、こんな場面を考えてみます。

取引先のリストや、作りかけの見積書の中身を、そのままチャットに貼り付けて「この内容を整えて」と頼む——。

もしそのサービスが入力を学習に使う設定のままなら、そこに書かれた取引先名や金額が、AIの学習材料に取り込まれる可能性があります。その場合、巡り巡って、別の誰かへの回答の中にその情報が顔を出すことも、理屈の上ではありえます。すぐに誰かに見られる、という話ではありません。それでも「これは自社の外に出してよい情報だったか」は、立ち止まって考える価値があります。

幸い、避ける手段は用意されています。この「学習に使わせない」設定を提供しているサービスは、少なくありません。

  • 設定画面で、入力を学習に使う項目をオフにする
  • 法人向けのプランでは、そもそも入力を学習に使わない、としているのが一般的です

ただし、設定の場所や呼び名はサービスごとに違い、しかも時々変わります。だからここでは「どのサービスの、どこを押す」とは書きません。大事なのは、使う前に一度、「このサービスは入力をどう扱うのか」を確認する習慣を持つことです。

「無料だから危ない、お金を払えば安全」と考えたくなりますが、そう単純ではありません。

入力が学習に使われるかどうかを分けるのは、料金そのものより、どのサービスの、どのプランを、どんな設定で使っているかです。無料でも学習に使わない設定にできることがあれば、有料でも初期設定のままなら使われることもあります。

だからこそ、「これは安全」と思い込まず、サービスごとに確認するのが、いちばん確実です。

なお、「では実際の業務で、どこまでの情報なら入れてよいのか」という線引きは、また別のテーマになります。これは「何を渡し、何を伏せるか」で扱っています。

AIに入力した内容は、サービスによっては学習に使われることがあります。でも、それは設定やプランの選び方で避けられます。これがオプトアウトです。

必要なのは、極端に怖がって使わないことでも、無頓着に何でも打ち込むことでもなく、「このサービスは入力をどう扱うのか」を一度確認する——その一手間だけです。