任せどころを見分けてみる
チュートリアル 約4分で読めます
ここまで見てきた「できること・できないこと」を、今度は短いお題で実際に判定してみます。読んで分かったつもりの「任せどころ」も、自分で手を動かして見分けてみると、はじめて勘になります。使う物差しはひとつだけ——その仕事は、そのままAIに任せて完結するか、それともひと手間(確かめる・道具を足す・人が決める)が要るか。5つのお題を判定し終えると、自分の物差しが一文で言えるようになります。
できあがるもの
Section titled “できあがるもの”5つの短いお題を「任せて完結/ひと手間が要る」で判定し、答え合わせまで終えた状態です。最後に、自分の言葉で物差しを一文にして終わります。
この練習の進め方
Section titled “この練習の進め方”お題を1つずつ読み、まず自分でどちらかを選んでください。それから答え合わせを読みます。考える軸はひとつ、さっきの「そのまま任せて完結か/ひと手間が要るか」だけです。直感で選んでよく、外れても、答え合わせで線引きがはっきりすれば十分です。
ここでやるのは「見分ける」練習なので、AIにはまだ触りません。
お題1:取引先へのお礼メールの下書きを作る
Section titled “お題1:取引先へのお礼メールの下書きを作る”先方との打ち合わせのお礼メールを、要点を渡して下書きしてもらう。さて、どちらでしょうか。
答え合わせ:そのまま任せて完結。 文章を作る仕事で、正解は一つに決まらず、多少ぶれても自分で直せます。送る前に目を通すのは当然として、下書きづくり自体はそのまま任せられる——AIがいちばん得意とする仕事です。
お題2:今月の売上を商品別に合計する
Section titled “お題2:今月の売上を商品別に合計する”商品ごとの売上データを渡して、合計を出してもらう。
答え合わせ:ひと手間が要る。 数字を合計する仕事です。AIは数の意味を分かって計算しているわけではなく、「それらしい数字」を並べているだけのことがあり、桁が増えると平気で間違えます(→ 計算しているわけではない)。集計は表計算やプログラムにやらせるのが確実です。
お題3:新サービスの名前の案を10個出す
Section titled “お題3:新サービスの名前の案を10個出す”サービスの特徴を伝えて、ネーミングのアイデアを10個出してもらう。
答え合わせ:そのまま任せて完結。 決まった正解がなく、満点もない、アイデア出しの仕事です。むしろAIがいちばん輝く場所で、たくさん出させて、いいものを自分で選べばいいのです。
お題4:来月から始まる補助金の最新の要件を調べる
Section titled “お題4:来月から始まる補助金の最新の要件を調べる”新しい補助金について、申請の要件をまとめてもらう。
答え合わせ:ひと手間が要る。 最新の制度や事実は、AIが確かめて答えているわけではないので、もっともらしく間違えることがあります(→ 悪気なく嘘をつく)。ここでの「ひと手間」は、一次情報で裏を取ること。最新の話ほど、AIの答えをそのまま信じないのが安全です。
お題5:毎月、同じ書式の請求書をまとめて作る
Section titled “お題5:毎月、同じ書式の請求書をまとめて作る”決まった様式の請求書を、毎月、取引先ごとに作る。
答え合わせ:ひと手間が要る。 毎回きっちり同じ形に揃える、定型の処理です。AIは同じことを頼んでも答えが毎回少しずつ変わるので、寸分たがわぬ繰り返しには向きません。決まりきった処理は、表計算やシステム=プログラムの出番です。
ひと手間の中身は、一つではない
Section titled “ひと手間の中身は、一つではない”「ひと手間が要る」と判定した3つを並べると、手間の中身がそれぞれ違うことに気づきます。
| お題 | ひと手間の中身 |
|---|---|
| 売上の集計(お題2) | 計算は、表計算・プログラムにやらせる |
| 最新要件を調べる(お題4) | 一次情報で裏を取る |
| 請求書の量産(お題5) | 定型処理は、プログラムにやらせる |
ここで大事なのは、「ひと手間が要る=AIが使えない」ではないということです。多くは、AIに道具や手を足すと景色が変わります。計算はAIにプログラムを書かせて解かせられますし、最新の話はAIに検索という手を持たせれば、調べに行かせることもできます(→ 対話型AIとAIエージェント)。「そのままでは完結しない」だけで、ひと手間を足せば任せられる仕事も多いのです。
できたことの確認
Section titled “できたことの確認”5つを判定して、こんな物差しが手元に残ったはずです。
- もっともらしい言葉・柔軟さでよければ → そのまま任せて完結(下書き・要約・発想)
- 厳密な正確さ・毎回同じ結果・最新の事実が要るなら → ひと手間が要る(計算・定型・事実確認)
最後に、自分の言葉でも一文にしてみてください。たとえば「正解が一つに決まらない仕事はAIに、きっちり合っていないと困る仕事はひと手間かけて」。これが言えれば、この練習は完了です。
次のステップ
Section titled “次のステップ”この物差しを、自分の実際の仕事に当てはめる番です。「自分の仕事を見渡す」から始まる「自社の仕事に当てはめる」では、業務を見渡し、分解し、プログラム・AI・人に振り分けていきます。今日の「任せて完結/ひと手間」の見分けが、その土台になります。
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最終点検: 2026年6月13日
出典: さとりのしょ — https://satorinosho.jp/ai-basics/what-to-delegate/