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テキストとバイナリ

解説

ChatGPT に「Excelで一覧表を作って」と頼むと、本当にファイルが出てきます。では、AIはExcelファイルを直接書いているのでしょうか。実は、そうではありません。ここを理解する鍵が、ファイルには テキストバイナリ の2種類がある、ということです。そして生成AIが直接作れるのは、このうちテキストだけです。

コンピュータが扱うファイルは、大きく2つに分けられます。

  • テキスト … 文字でできていて、人がそのまま読めるデータ。メモ帳のようなどんなテキストエディタで開いても中身が読めます。例:.txt.csv(表をカンマ区切りにしたもの)、Markdown(.md)、Webページのもとになる HTML、プログラムのコードなど。
  • バイナリ … そのままでは文字として読めず、専用ソフトでないと中身が見られないデータ。例:Excel(.xlsx)、Word(.docx)、画像、PDF など。

違いは、試しにメモ帳で開いてみると分かります。.csv ファイルなら、中の数字や文字がそのまま読めます。けれど .xlsx ファイルを同じように開くと、意味の取れない記号の羅列が出てくるだけです。Excel は、こうした専用の形式で保存されたファイルを「人が読める表」として開いて見せてくれるソフト、というわけです。

生成AIが直接作れるのはテキストだけ

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ここが本題です。生成AIは、確率で「次に来そうな言葉」を並べて文章を作る道具です(→ 生成AIとは何か)。だから直接生み出せるのは、文字でできたテキストに限られます。.xlsx のようなバイナリを、AIがそのまま書き出すことはできません。一方で、さきほど例に挙げた プログラムのコードも、文字でできたテキスト です。だから、AIはプログラムのコードなら書けます。

では「Excelで一覧表を作って」が、なぜ動くのか。答えは、多くの場合 AIが裏でプログラムを書いているからです。AIはまず表計算ファイルを作るためのプログラム(たとえば Python のコード)をテキストとして書き、それを実行させて、できあがった .xlsx をあなたに渡しています。

これは、AIが計算するときと同じ構図です。AIは数字を自分で計算しているのではなく、裏でプログラムに計算させていました(→ できること・できないこと)。Excelファイルも同じで、「AIが作っている」のではなく、「AIがプログラムに作らせている」のです。

この仕組みが分かると、いくつか腑に落ちることがあります。

  • ときどきファイルがうまく作れない・開けないのは、裏のプログラムでつまずいていることがあるから。 AIが直接作っているなら起きないはずのことも、「プログラムを書いて実行する」という一段をはさむぶん、そこで失敗することがあります。
  • テキストで受け取れるものは、テキストで頼むと安定する。 一覧やメモなら、.xlsx でなく、画面にそのまま文字で出してもらう・.csv でもらう方が、AIが直接出せるぶん崩れにくい。Excelの体裁が必要なときだけ、ファイルで頼めば十分です。
  • 「AIは何でも直接作れる」わけではない、と見分けられる。 出てくるのがテキストか、それとも裏でプログラムを介したバイナリか——この区別がつくと、AIの得意・不得意の見当がつきやすくなります。

ファイルにはテキストとバイナリがあり、生成AIが直接作れるのはテキストだけ。Excel や Word のようなバイナリは、AIが裏でプログラムを書き、それが作っています。「AIが直接作っている」ように見えても、一段はさんでいる——そう知っておくと、なぜ時々うまくいかないのか、何をどう頼めばいいのかが見えてきます。

ファイルの種類は、名前のうしろに付く .xlsx.csv といった「拡張子」で見分けます。その拡張子の正体は「拡張子の正体」で扱います(順次公開)。